COLUMNコラム

天然木?2019.01.17

皆様、更新遅くなりスイマセン。

年明け、初のコラムになります。

本年も宜しく御願い致します。

今日は良くある質問の一つ、家具の見方についてです。

見方と言いましても、良し悪しではなくて、素材についてですね。

少しでも家具に関する疑問がクリアになっていただければと思います。

当社は木の家具を作る木工所ですが、扱っているのは木だけではありません。テーブルの脚が金物であったり、ショーケースや食器棚のような収納の棚板がガラスであったりと、すぐに分かるものはもちろんなのですが、実は木の様に見えて実は天然木ではないモノが沢山あります。

例えば、

こちら、薄い色と、濃い色の2種類の木が有るように見えます。木目もあります。

良く見ると木肌の凹凸もあって、天然木の様ですが…、

薄っぺらいシート状で、裏には木目がありません。

これはメラミン樹脂と言いまして、分かりやすく言いますとプラスチックです。シート状のプラスチックに木目がプリントしてあるものなんです。最近では表面に凹凸があって天然木の木肌そっくりに仕上がっていて、良く見ないとプロでも天然木と間違えるほどです。

また、メラミンほど表面の硬度は無いのですが、同じ様に天然木そっくりな素材にポリ合板(ポリエステル化粧合板)と言うモノがあります。

こちらもプリントですが表面に凹凸までついてます。こちらは表面の素材は塗膜になります。断面を見ると分かりやすいでしょうか。

表面の薄皮1枚分だけの塗膜があり、中は別の材料になってます。

メラミンもポリ合板も、確かに天然木ではないのですが、天然木には無いメリットがあります。世の中で使われている家具は、このメラミンやポリ合板のモノが圧倒的に多いと思います。

メラミンはプラスチックで、表面に硬度があり、耐水性もありますから、飲食店などのテーブルやカウンターなどに多く使われています。飲食店のみならず、デスクなどの表面に強度が欲しい場合はメラミンが適していますので、そういった部分に多く使われています。

ポリ合板は表面の硬度がそれほど必要じゃない部分に使われます。収納の内側などですね。内側だけじゃなく、ポリ合板だけで出来ている製品も沢山あります。家具のパーツによってメラミンとポリ合板を使い分けるのが、いい手かと思います。

上の画像は、ポリ合板の断面にメラミンを縁材としたモノですが、この様に1枚のパネルが出来ていきます。

一般的に、天然木、メラミン、ポリ合板の順にコストダウンしていきますから、コスト的なメリットもあります。天然木の製品はほぼ塗装が必要ですが、このメラミン・ポリ合板は後の塗装を必要としない事もコストダウンになります。また、基本的には同じプリントですから、同じものを大量生産する場合は均一化されて便利です。

天然木は、天然木にしか出せない風合いがあり、個々に味わいがあり、一生モノでしたら断然、天然木製品だと個人的には思うのですが、使い方や予算などを考えて素材を選んでいただければと思います。

こういったコスト面も含めて、色々なアイデアがありますから、この場で多くの情報を得ていただき、オーダー家具がもっと一般的になっていってくれればと願うばかりです。

またの機会には、天然木の中でのコストダウン(=エコの面も)について、お話し出来ればと思います。

引き続き、宜しく御願い致します。